メイズランナー3、堂々の完結。トーマスの苦悩と選んだ結末は?

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メイズ・ランナー最後の迷宮(Maze runner:The death cure)、ついに完結しました。


メイズ・ランナー1が本当に面白く、2はなんじゃこりゃ~とズッコケた感がありましたが、
3でしっかり綺麗にまとめた感があります。

3はもちろん、愛しのヒロインミンホーちゃんを救いに行くストーリーです(ヒロインかよw)

いや、なんかメイズ・ランナー好きの中では、もう完全にヒロイン認定されてしまっているミンホ。今作では、真のヒロインの座を巡って、テレサ、ブレンダ、ミンホの3人が醜いキャッツファイトを繰り広げま。。ってそんなストーリーではないような、そんな感じだったような(笑)

この第3作では、かなりお金をかけて、しっかり中身を作ってる感がありました。
そして、ちゃんと答えを出してくれました。

メイズ・ランナー1,2を観たのなら、3も絶対に見るべきです。

(途中までネタバレしない感想を書いていきます。まだ観てない人はネタバレ編前で引き返してくださいね。)

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トーマスとテレサが出した答え

この世界はゾンビウィルスが蔓延してしまっている世界。
そのゾンビウィルスを治す血清(ワクチン)開発をしているWCKDの研究員の一人だった、トーマスとテレサ。

しかし、その血清を作るために、何も知らない若者達が実験体としてこの研究所に捕らえられ、非人道的な実験を強いられていたわけです。

トーマスとテレサは、それぞれ世界をゾンビウィルスから救う研究員という立場と、実験動物にさせられている若者たちの2つの立場両方を経験し、そして、どちらの味方として世界を救うかを散々悩んできました。

たとえ、非人道的な実験に巻き込まれる人達がいても、世界を救うための血清作りが大事なのか、

逆に世界を救える薬が作れる可能性があるとしても、やはり罪なき若者を実験動物として使う事は許されない事なのか。

確かに血清が完成しなければ最終的には全人類が感染し、人類は滅亡するから、どの道若者たちに未来はない。だから実験動物になってくれと。

前作では、最終的にテレサは仲間を裏切って、研究員サイドに戻り、
そのテレサの裏切りのせいで、多くの非感染の罪なき人々が死ぬ事になりました。

テレサは自分のせいで犠牲になる人々、実験動物になる人々が出るとしても、
世界を救う事を選んだわけです。その罪滅ぼしは血清を完成させる事。

血清さえ完成すれば、ゾンビになった人達も元通りに治せ、そして実験動物としてWCKDに囚えられている若者たちを開放する事もできる。

トーマスの選んだ道は逆でした。血清完成のためだとしても、実験動物にさせられる人々がいる事なんてもう許せない。血清完成のためなら何でもやるWCKDが許せない。世界を救うより、目の前の人々をこのゾンビワールドでなんとか生かす方を選んだわけです。

前作では、テレサが裏切り者の悪として(そしてミンホが囚われのヒロインっぽい感じで)終了しました。

しかし、今作では、テレサやエヴァ(WCKDの親玉のおばちゃん)サイドの本心、苦悩も描かれていて、彼らも悪ではないんだな。。彼らも彼らなりに世界を本気でゾンビワールドから元の世界に戻そうと苦心しているんだなというのが分かるようになっています。

だからトーマスは辛い。テレサの「絶対に血清を完成させて、その血清でゾンビになった人達も元通りにして、全員ハッピーな世界を絶対に絶対に実現するんだ!」という思いに従い、自分も研究員に戻って、血清の完成を手伝うべきなのか、

血清の完成は諦めて、それよりも実験動物にされている仲間達を開放し、彼らと共にゾンビウィルスから隔離されている地域へ行き、そこで暮らしていくという選択をするべきなのか、苦悩するわけです。

一番恐ろしいのは、仲間の中にもゾンビウィルスに感染していくものが出てくる事。

仲間をWCKDの魔の手から救う。血清完成は手助けしない。でもWCKDの血清がなければ、仲間はゾンビ化してしまう。

苦悩しながらも、目の前の仲間を救う行動をし続けるしかできないトーマス。

ブレンダの「You can’t save everyone.(全員を救う事は出来ないのよ)」という言葉と、
エヴァ(おばちゃん)の「You can save us all (全員を救えるのよ)」という言葉、

この誰を救うべきかで苦悩してきたトーマスとテレサの対照的な行動が最終的にはあのエンディングになったと思うと、それぞれの人を救いたいという思いは間違ってなかったという事になり、あのエンドはすごく良かったと思うわけです。

まさかのアイツが復活!

今回、面白かったのは、意外なキャラが出てくる事。1,2とトーマスと共にアクションを盛り上げたミンホは、今作では後半までとことんヒロインに徹してる感があり、ミンホとトーマスのアクションが観たい派の人々からすると、少々物足りない部分もあったかもしれませんが、

そのアクション部分をしっかり盛り上げたのが、もうひとりの相棒ニュートと、2で出てきた女のブレンダ、そしてまさかのアイツ。もうね、こういう展開好きですよ(笑)。

まあ、定番だとは思うんですよ、過去作のあるキャラが復活するって。
でもまさかアイツがって所がね~。なんかプリズン・ブレイク4で、最後にまさかのケラーマンが出てきて、全部解決~みたいな展開で、「そう来やがりますか~」って思わず唸ってしまいました。(まあどうやって復活してあのポジションにいるのかは、完全に謎でツッコミどころは満載なわけですが、それが映画って奴ですw)

他の映画の名シーンを彷彿とさせるツッコミどころが満載w

あと、もうトレーラー観た時点で皆さん言いたい事は一緒だと思うんですけど、
ほんと今作は「これ別の映画?ていうか、あの映画?」って思うようなシーン多いです(笑)。

Maze Runner: The Death Cure | Official Final Trailer [HD] | 20th Century FOX
  • 上のトレーラー見れば分かりますが、序盤からもろに「Fast&Furious(ワイスピ)モロかよw!」と突っ込まずにはいられないあの走る電車にジープで接近して飛び乗るシーン。その後の行動もまんまFF(笑)
  • The Hunger Games が即回想してしまうあの戦闘機とあのシティw
  • ゾンビから逃れて、ゾンビ汚染されていない地域に逃げ、自分のいた研究所を破壊という、バイオハザードまんまの展開(まあ、ゾンビ映画はどれもそんな展開だけど、あの船とかもやっぱりバイオハザード展開を思わず連想してしまったw)。

という感じで、ツッコまずにはいられない映像満載で、パロディ映画としてもある意味楽しめました(爆)。

じゃあ、単なるパクリ映画でつまんないのかというと、それがそうじゃなくて、ちゃんとメイズ・ランナーのストーリーに収まるから、今作は予想をはるかに上回って優秀な出来だったと感じたんですよ。

映像もしっかり金かけて作り込まれてるし、ストーリーも悪くない。しっかり結論を出して終わってくれた所とか、本当に面白い映画になっていたなと感じました。

1、2を観てなくても楽しめるか!?

正直、楽しめると感じました。

私自身、特に2の記憶が曖昧な状態で観たので、序盤に出てきたホルヘとブレンダ親子見た時、「あれ、そういえば、こんなオッサンと娘いたよな。。(;´Д`)誰だっけ?」状態でした(爆)。

そうだ、そうだ、前作で出てきたレジスタンスみたいな連中の親玉じゃなかったっけ!?

みたいな感じで、出てくる奴らの多くの記憶が曖昧。。(特に2がイマイチだったので、2から出てきた人の記憶が曖昧。。)

でも、普通に楽しめました。アクションが面白いから1、2観てない人でも、エンターテイメントとして楽しめます。

でも、やっぱり1から観るのが一番面白いです。
1が傑作ですし(壁に囲まれてる世界観がまるで進撃の巨人の実写のようで素晴らしいし)、なぜ3のような展開になったかというのは、2で分かりますしね。

構成的には、うまくハンガー・ゲーム3部作(4部作か)の展開と同じような形になってて、うまく出来てると思います。

また1,2,3全部、無意味なベッドシーンとかそういうのないので、家族でも安心して見れます(まあグロいゾンビシーンは結構ありますけどw)

さて、ここからは、ネタバレを含めて書いていきますので、
まだメイズランナー3を観てない人は、観てから読んでくださいね。

ぜひネタバレなしで、メイズ・ランナーの完結を観て欲しい。

特に3はネタバレなしで観た方が、トーマスとテレサの苦悩からのラストを楽しめるので、
ぜひ作品を先に観てくださいね。

では、ここからはネタバレありで、ツッコミどころを突っ込んでいきます。

ゲーム・オブ・スローンズのおっさん要らなくない?

今回、ゲーム・オブ・スローンズのリトルフィンガーでお馴染みのエイダン・ギレンがWCKDのボス的な感じで出てるんですけど(前作も出てたっちゃ出てたが記憶がほぼないw)、あの配役は要らないのではと感じてしまいました。

なんだか、エヴァおばちゃんをあそこで無理にヤる理由もよく分からなかったし、執拗にトーマスを殺そうとするのも意味不明でした。(まあ前作で散々やられた怒りなのかな?)

だったら、最初からあのおっさん出さないで、トーマスとエヴァおばちゃん和解、テレサと協力して血清完成。でもレジスタンス軍勢にミサイル打ち込まれてエヴァ死亡、で、最後のシーンで同じくトーマスだけ助かって、テレサはビルと一緒に倒壊。で良くないか?あのおっさんがラスボスとして必要だったか!?というのは、酷く疑問でした。

なんだか最後のトーマスVSおっさんのシーンが無駄に長くて、意味不明で、感動を薄めてる感を感じてしまったので。。

エイダンの演技も、もろゲーム・オブ・スローンズまんまな感じがして、それもイマイチに感じた理由です。(ゲーム・オブ・スローンズでの演技は素晴らしいと思うのですが。。)

今作だと、「いかにも私、悪い事考えてますよ~♪」みたいなニヤ顔やり過ぎてて、どうも自然じゃなかった感じがしました。

ニュートの感染。

メイズ・ランナーシリーズで、常にサブリーダー的地位でこの物語を支えてきたニュート。


今作では、ウィルスに感染しています。どこで感染したのかは謎ですが、どうやら空気感染したようです。

というのも、塀の中の人達(ゾンビから隔離されたシティの人達)も外ではマスクをしてますしね。逆にマスクをしないで歩いている人達がいるのも、またリアルでいいですね。

実際、インフルエンザ対策としてマスクしましょうみたいにお達しが来ても、みんながみんな現実ではマスクするわけじゃないじゃないですか。マスク家に忘れた~とか、俺はそんなのかかるわけないからマスクいいや~とか。

なんかそういう現実的な世界をあのマスクしてない人達もいる感じが出してて良かったですね。

実際に、WCKDのエヴァおばさんとジャンソンおじさんも空気感染の事を話してますし、塀の中で一番安全な場所にいるはずのジャンソンも感染していました。

話を戻して、ニュートは噛まれたわけじゃないようだけど、腕から徐々にウィルスに蝕まれていきます。

確かに、今作のトーマス達の目的は、仲間のミンホを助ける事。
でもミンホが無事に戻ってきたのに、ニュートが最後ゾンビ化して、そして命を落とすというのは、なんとも歯がゆいですよね。

個人的には、フライパン(黒人の仲間)が死亡フラグ出まくりだし、脇役だしで、いつゾンビに食われて死んでしまうんだろうと、ヒヤヒヤしながら観ていましたが、フライパン君、生き残れて良かったですね。

普通の映画だったら、フライパン君を散らせて、ニュートとミンホ、トーマスが3人で綺麗に助かってハッピーエンドだと思うんですよ。

でも、それをあえてしないで、ニュートがああいう形で助からなかった。チャックもそうでしたが。いや~辛い。最後の手紙も辛いですが、ニュートとテレサは、トーマスの次の決意(テレサが完成させた血清を今後培養して世界中に届けて、この世界を元に戻す)を固めさせるために必要だったのかもしれません。(ただ単純にヒロインのミンホを引き立たせるために邪魔だったから消された可能性もw。虎視眈々とヒロインの座を狙うブレンダは生かされましたが。。この素晴らしいメイズ・ランナーの世界を腐女子の不快なBLネタにされないためにも、ブレンダは必要ですよねw)

今後の決意を匂わせる終劇

今後、血清を培養していって、いざどうやって血清をゾンビ達に使っていくかってなった時、きっとまたギャリーとトーマスで意見が食い違って揉めると思うんですよ。

で、またトーマスが「だったら一人でやってやる!」って暴走して、それを先読みして、ミンホとブレンダが準備して待ってて一緒に旅をする。そして3人が旅先で出くわしたのは、死んだはずのゾンビ化したニュートだった。。

メイズランナー4があるなら、きっとそんな展開に違いない(笑)。

でも今作のあのラストはすごく好きです。ノアの方舟的というか、トーマスにわずかな希望が託されて終わるあの展開。

トーマスは常に過去への贖罪の気持ちなのか、自分は死んでもいい的な向こう見ずな行動を今まで続けてきたわけですが、

テレサから託された血清と、ニュートからの手紙で、自分には人類が今後生き残る上で重要な役目がある事、今後血清を世界に届けて人類をちゃんと救うまでは生きなくてはいけない事を実感したと思うんですね。

なんかその人類を今度こそ救うんだっていう決意と共に船に目を向けるシーンで終わるのがすごく良かったですね。

逆に少し滑稽に感じたのは、最後に出来たコミュニティと、最初のメイズの中のコミュニティが似ていた事。

あのメイズの庭での原始的な共同生活から脱出するために、行動した結果、
最後にはまた山と海に挟まれた場所で、同じような原始的な共同生活が始まる。

まあでも、今回は野郎しかいない殺伐とした世界ではなく、ちゃんと女もいるし、
移動手段もあるのであの生活とは確実に違うとも言えますが、

結局人は、コミュニティを作り、野を耕し食物を作り、屋根を作り、生きていくしかないんだなと。人類がまた文明を取り戻せるかは、トーマスにかかってるのかもしれません。

ただ、トーマスのコミュニティ以外にも、
シティにもともと住んでた人達、逆にシティをぶっ壊した人達、彼らも生きてるでしょうから、そこでまた新たな街が誕生するのかもしれません。

というわけで、メイズランナー堂々の完結。ツッコミどころはあるとは言え、しっかりエンターテイメントしながら、トーマスとテレサがそれぞれ苦悩しながら信じる道を歩みながら、最終的には2人の道が交わってみんなを救う道が出来たのは、非常に良かったと思います。