【こじらせ国際恋愛 Vol.46】国際恋愛と宗教の問題

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オーストラリアに自分探しの旅に出たこじらせフリーター男のYが、次々と現れるこじらせ女達との壮絶な国際恋愛バトルの末にまさかの人種とドタバタ国際結婚に至るまでのノンフィクション・ドキュメンタリーを綴っていく、国際恋愛戦記 Vol.46。(Vol.45はこちら) <Vol.1はこっち>

ついに彼女チェリーと体の関係まで行き、ラブラブな状態になったY氏とチェリーであったが、チェリーの誕生日にY氏が今度はダークサイド落ちで大暴走する!!


明日はチェリーの誕生日だ。
一緒にケーキでも買って祝おうと話していたのだが。。

チェリー「私、明日の朝はタイ寺院へお参りに行ってくるわ。ねぇ良かったらY氏も一緒に行かない?」

そうそう、国際恋愛というと、どうしても宗教が絡んでくる。

欧米人だったらキリスト教を信じてる人が多いし、
次いで韓国人もキリスト教がめっちゃ多い。

彼らは大抵日曜日の午前中は必ず教会に行くらしい。
シェアメイトにも何度か一緒に教会行かないかと誘われた事があるし。

ま、確かに教会自体は日本の寺と一緒で素晴らしい芸術作品なので、観光で行く分にはとても良いんだがね。。

中東の人なら、ヒンズーとか、イスラム系が多いし、
そして、彼女の国のタイなら、仏教なわけだ。

当時はすごく「宗教=カルト=金をむしり取られて洗脳される」みたいな恐怖心が強かったので、チェリーの誘いにはちょっと恐怖を感じた。

以前、中国人の福ちゃんと中華仏教のお寺に行った事はあるけど、
あれは完全に日本と同じで、単なる観光&お参りだったからなんの違和感もなかったけど。。

今回は、儀式的なものもあるらしく、ちょっと怪しい方向へ行かないか?無理やり入信されられたり拉致監禁されたり、金をせびられたりしないかと、被害妄想が頭を駆け巡る。。

でも、チェリーの誕生日だし、自分も未体験ゾーンにチャレンジしたいし。。うーむ。。

Y氏「OK。行くだけ行ってみるよ。ちょっとでも怪しかったら、ブチ切れて帰るけどな。。」

チェリー「怪しくないわよ。別に何か強要したり、お金取ったりもしないから。」

というわけで、チェリーの誕生日の午前中は一緒にタイ寺院へ向かうことに。
しかし、これがY氏暴走への始まりだった(爆)。

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タイ寺院へ

街からバスで15分ほど、そんなに遠くもない場所にタイ寺院はあった。

タイの首都バンコクにあるような巨大な金の大仏とか、派手な仏閣があるのかと思いきや、
案外そうでもなく、こじんまりとした建物だった。

建物の中に入ると、
独特の匂いがムワっと立ち込めていて、
沢山のタイ人がいた。

サワディーカーと、みんな手を合わせてにこやかに挨拶してくるので、自分も真似て挨拶した。

テーブルには、沢山のタッパーがおいてあり、
様々なタイ料理が大量に置いてあった。
匂いの発生源はこれだった。

Y「ん?このご飯はどこから出てきたの?」

C「みんな家で作ってここに持ってきたのよ。私も持ってきたわよ」

なんでも、みんなそれぞれ家庭料理を作るなり、買うなりして持ち寄るそうだ。

とりあえず、そこには仏像も何もない。
椅子とテーブルがただあってという感じだ。

チェリーはいろいろ器とか準備しているが、
私は何をすればいいのか分からないので、端っこで座ってその様子をぼーっと見ていた。
みんなタイ語で話しているので、会話内容も分からないし。。

お坊さん登場

しばらくすると、オレンジ色の袈裟を来たお坊さん達が列をなして部屋に入ってきた。

壁際にローテーブルくらいの高さの台座のような部分があって、
そこには何か仏像とか置くのかなと思っていたのだが、
その壁際の台座にお坊さん達が一列に座った。

こう見ると、まるでお坊さんそのものが、仏像かのような演出に見えた。

お坊さん達の眼の前に銀の器を並べていくチェリー達

器は写真のような形の不思議な器だった。

「さぁ、Y氏も参加して」とチェリーに言われる。。ん、一体何を私にやれというのだ。。段々不気味に感じてきたY氏。。

すると、皆持ち寄ったタッパーとお箸やスプーンを持って、並びだした。

ここで何が始まったかというと、
それぞれのお坊さんの前の器に、皆が順番に持ち寄った食べ物を入れていった。

Y氏「え、この食べ物をあの器に分けていけばいいの?」

チェリー「そういう事。お坊さんのお昼ご飯なのよ」

というわけで、お坊さんの器にチェリーと共に私もそのおかずを入れていくわけだが、
もちろんお坊さんの器の中はいろんな食材がごちゃ混ぜだ(汗)。ご飯だろうが、麺だろうが、汁物だろうが、ごちゃ混ぜ。。

ぜんぜん違うタイプのおかずを一つの器に詰めていったら、味もきっとごちゃ混ぜなんだろうなぁ。。なんて思いながら、私もその作業をこなしていった。。のだが。。

湧き上がる気持ち悪さ

なんて事はない作業なのだが、私はこの時、正直吐き気がしていた。

ただでさえ匂いが強いタイ料理のごちゃ混ぜな匂い。。
さらに高い所に座したお坊さんにごちゃ混ぜご飯をよそう行為。。

なんだこれは。。特に宗教=危険みたいな先入観で塗り固まっていた私にとっては
不気味以外の何物でもなかったのだ。。

強いていえば、高い所に神様気取りで鎮座するお坊さんに、小市民達がははぁと年貢を収めているかのような光景だと曲解した。そう思うと、吐き気と同時に怒りも湧いてきた。

今思い起こせば、私がただお坊さんにご飯を分ける行為に「危険」とか「怪しい、不気味」とか感じたのは、チェリーがセックス=危険、悪い事みたいなバイアスがかかってたのと同じだなぁと思う。。バイアスって逆に怖いなと今は思う。

なんだか、ただお坊さんにご飯をよそっただけなのだが、
完全に心が折れてしまったY氏。

というのも、単に仏像の前で手を合わせて、念仏でも唱えてそれで終了なんだろうなぁと思ってたのと全く違う状況に面していたので、とにかく不気味に感じて心が折れてしまっていた。

チェリー「で、この余った料理、沢山あるでしょ?これはここにいるみんなで分けて食べていいの。Y氏はどれが食べたい?どれも超おいしそうよ~♪」

久しぶりのタイの家庭料理のバッフェ状態を目の前にしてテンションが上がるチェリーであったが、Y氏は完全に端っこで死んだ目でうなだれていた。

Y氏「何も食べたくない。。気分も良くない。。」

チェリー「うん、顔が引きつってるもんね。。」

Y氏「悪いが、先帰ってていいか?ケーキも買っておくから。」

チェリー「うん、やっぱり来させちゃって、悪かったみたいね。。ごめんね。」

Y氏「あぁ、すまん。」

この後、みんなで持ち寄った料理を食べて、
隣の部屋にある仏像の前で、念仏を唱えてお祈りをするらしい。

とにかく、一秒でも早くこの場を離れたかったので、
スタスタと逃げるように出ていった。

うっ!胸の辺りがなんか気持ち悪い。。
とにかく私はなんだかヤバイ儀式に参加させられた気分になってしまっていた。
後で冷静に考えればただ坊さんに飯を配っただけなのだが(汗)。

ダークサイドに落ちるY氏

一人先に帰り、ケーキを買い、
一度自分の家に戻ったY氏。

うーーん、私は絶対に宗教にだけは入りたくない。今日の儀式はなんだったんだ。。
もしチェリーとこのまま付き合い続けたり、結婚したりしたら、ああいった怪しい儀式に毎週のように参加を強要させられるのだろうか?

お布施という名の金をせびられたり、信者を名乗らさせられたりするんだろうか。。
あげく、目をキラキラさせながら、神を信じないと地獄に落ちるとか言い出すほどにブレインウォッシングされてしまうのだろうか。。

なんかいろいろ悪い妄想を始めてしまい、心がスクランブルエッグだ。
それと同時にY氏の奥底に眠っていたダークサイドが全身を駆け巡り始めていた。。

チェリーと合流で大暴走!

夕方、チェリーと景色の良い船着き場で合流した。
ここはチェリーに魔性の初キス攻撃を仕掛けられた思い出の場所でもある。(Vol.23参照)

Y氏「チェリー、ケーキ買ってきたぞ。あとこれ、プレゼント。」

チェリー「Y、今日はごめんね。なんかYがマジでひいてるのすごい感じたわよ(汗)。」

Y氏「あぁ、あのさ、誕生日おめでとう。。で、悪いんだけどさ。。。」

チェリー「うん」

Y氏「俺さ、宗教とかってやっぱマジで無理だわ。だからさ。別れてくれない?

どーーーーーーーーーーーん

誕生日おめでとうでケーキを出してそうそう、別れてくれ宣言のY氏。
彼はクソ野郎である。うん、実に最低なゲスクソ野郎である(ちーん)。

チェリー「あーーー出たわ。これだわ、これ。もう、ちょっとあんたふざけんじゃないわよ!そういう怪しいカルト宗教じゃないって言ってるでしょ!入信しろとか言ってないし、勧誘した事だってないでしょ?そもそも入信とかそういうのないし。ただ信じてるか信じてないかだけだし!!」

チェリーは懇切丁寧にタイ仏教について説明してくれた。

お坊さんは自分で食べたいものを我々のように選んで食べれるわけではなく、
みんなからもらったもの、しかもごちゃ混ぜにされたものを食べなきゃいけない状態である事、

別に無理に寺に行く必要はなく、行きたい人はしょっちゅう行くし、そうでない人は年に数回しか行かない事など。

Y「なぁ、俺は絶対に宗教には入らないからな。お前が俺を無理やり服従させようとしたり、宗教儀式を強要しようとしてきたら、その時は絶対に別れる。」

C「分かってるわよ。強要しないし、お金も取らないし、何にもしないわよ。そういう宗教じゃないっての。あんたの国にもあるお寺の仏教と一緒よ。もういいから、ケーキ食べなさいよ!おいしいわね、これ、どこで買ったの?」

こいつのすごい所は、話をすばやく切り替えて、今までの話を流してしまう所だ(爆)。
いや、そのおかげで、私のダークサイドモードが後ひかずに済むのは、本当に助かっている。
(時々一気にダークサイドに入ると収集が付かなくなるので。。)

私がタイの仏教を恐れていたのは、たぶんあの話のせいかもしれない。

タイではほとんどの男性は一度僧侶の修行を数ヶ月経験するそうだ。
大抵の人は10代~20代の時に、頭をつるつるにそって、袈裟を着て、お寺で修行生活をする。

これは強制ではないのだが、それをやって一人前という世間体のためにやるらしい。

例えば、こいつと今後結婚したりなんかすると、
そんな事をやれと言われるのではと恐れていたのだと思う。
ま、そんなのを強要されそうになれば、絶対に別れるが。。

C「だから強要しないっつーの!」

この事件!?は私の中で改めて宗教と文化とは何かを
見つめ直す良い機会になった。

例えば、この時まで私は神社とお寺の違いとか、そういうのも知らなかった。

神社は古神道で、お寺は仏教。

元々古神道の国でありながら、死ぬ時は仏教のお墓に入る。結婚式は教会であげる。

なぜ我々は違う複数の宗教と同時並行で触れていつつ、
「あなたの宗教は?」と聞かれると「無神論者です」と答えるのか。

無神論者を気取っておきながら、
なぜ神社やお寺で「〇〇を叶えてくれ」とそういう時だけ都合良く
神様にお願いごとをしたりするのか。。

私もOh my god! と英語で驚くと、
「お前、神様信じてないのに、私の神よってなんだよw」とよく友達に突っ込まれたものだ(爆:そういう時は、Oh my goodness. なんて言えば良いのだが)。

我々が文化として初詣に行ったり、厄除けに行ったりするように、
タイの人達もタイ流の行事があるだけなのだ。

これは日本人同士の恋愛でもそうだけど、
やっぱり宗教とかって、相手がどれだけ信心深いかで
問題になるか、ならないかは変わってくるんだと思う。

それこそ、毎週絶対にお参りに行かなきゃダメとか、
しかもそれを相手にも強要するとか、

そうなってくると、私はもう着いていけない。
チェリーがそういうタイプじゃなかったのは幸いだったと言える。

改めて、良い勉強になったと感じたY氏であった。。大暴走だったけど(爆)。

なんとか成田離婚状態!?にならずに済んだY氏とチェリー。
そんな二人は山へハイキングに出かけるが。。そして新たな女達も登場!?
続きはVol.47で!!

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