ゲーム・オブ・スローンズは視聴者が頭の中で描くような素敵なハッピーエンドを寄こす気はサラサラないらしい。もしそんな慈悲がそもそもあったなら、Season1でエダード・スタークが普通に玉座に着いて、めでたしめでたしだったはず!
今回、ゲーム・オブ・スローンズ最終章(シーズン8)第5話を見て、
誰もが疑問に感じたであろう事と言えば、
なぜ、あのマザーテレサのような存在だった、弱きを助ける正義の味方のドラゴンの母、デナーリス・ターガリエンが、キングスランディング降伏後も、罪なき民も含めて完膚なきまでにドラカリス(龍の火炎)で焼き尽くしたのかという所。
今回はデナーリスが最後の最後で闇落ちしてしまうという悪夢のような展開に至ってしまった原因を解説していきます。
もくじ
デナーリスがマッドクイーンに闇落ちした原因は?
デナーリス・ターガリエンと言えば、シーズン2からは、奴隷制のある街から、次々と奴隷達を開放し、ケンシロウのように悪い支配者はしっかり処刑していく、そんな弱きを助ける正義の味方のまさに玉座に相応しい存在だったはずです。
それが突然、ティリオンの懇願も無視して、
街で慎ましく暮らしている人々も子供も含めて全てドラカリスで焼き付くて、
キングスランディングを完全に殲滅してしまったわけです。
見てるこっちもジョン状態。ポカーンです。
じゃあ、デナーリスがマッドクイーンに闇落ちした理由は、なんなのかというと
- 信頼していた親しかった者達がほぼ全員死亡で孤立
- 自分の兵を犠牲にしてホワイトウォーカー達から北を守ったのに、北からは受け入れてもらえない
- 愛するジョンも自分の願いを裏切り、心が離れていき、まさに孤独
- もともと自分の家だったキングスランディングがラニスター家に乗っ取られた積年の恨みがここに来て爆発。
といった所が、制作陣の解説などから推測するに理由になっているようです。
デナーリスの大切な者達が次々と死亡
デナーリスは立場上、いろいろな人から命を狙われたり、裏切られたりを過去にも繰り返して来ましたが、
そんな中、真に信頼を置けていた、ジョラー・モーモントが先日のホワイトウォーカー戦で死亡し、続いて、自分の城に戻る時に、奇襲を受けて、ドラゴン1頭とミッサンディを失ってしまいました。
もう近くには、デナーリスが心の底から信頼できる人はいませんし、デナーリスが女王たるゆえんの最強の戦力であり、我が子とも言えるドラゴンも残り1頭です。
しいて言えば信頼出来るのはもうグレイワームくらいでしょうか。
ただ、グレイワームはあくまで命令に従うだけの存在で、デナーリスの心の支えという感じではないですから、もはや、誰も周りに信用できる人がいなくなってしまい、孤独になってしまったのが、今回の暴走の第一の原因と言えるでしょう。
そういえば、昔、後方に置いてきたはずの、愛人ダーリオは、どうしちゃったんでしょうね(汗)。
ここでダーリオが登場して、慰めてあげれば、
あんな事にはならなかったのでは!?って思うんだけど・・
愛するジョンも自分の願いを裏切り、心が離れていき、まさに孤独
正直、これも大きな引き金になっているでしょう。
My Queenだの、I love youだの言って、いまだに僕は君の味方さアピールしてるジョンですが、その割に、ジョンは自分の血の真実を知ってからは、デナーリスから距離を置いてばかりですし、
今回のキスシーンもなんか一歩引いちゃってるわけですよ。
きっと彼の中では、「親戚の叔母さんと交わるのは近親相姦だし、あかんやろ」って気持ちがだんだん出てきちゃったんでしょうね。
だから、ジョンもなんかちょっと距離を取っちゃってる。I love youってのも、親族として愛しているとしか、もう聞こえんわけですよ。
頭がお固いジョン・スノウだからこそ、そういうとこ、すげー気にしちゃうんでしょうね。
で、ジョンもサンサみたいなクズに言ったら、確実に周りに知れるのは時間の問題である事は彼自身も分かってたくせに、やっぱり自分の秘密をサンサにも言ってしまったってのが、やっぱり完全にデナーリスに対する裏切りなわけですよ。
ジョンは、「自分は王に成る気はさらさらない」と言っておきながら、「自分には王位がある」って事を外に言っちゃってるわけですから、そりゃデナーリスの王位継承の邪魔をしていると不信を買って当然の行為だと思います。
結局、言ってる事とやってる事が違うジョンが悪いんですよ、これ。
ちなみにサンサをクズ呼ばわりしましたが、実際、サンサってシーズン1から何もやってないっすからね。
ただスターク家ってだけで、あいつはたまたま生き残れてるだけ。別に戦ってもいない。デナーリスは前線でホワイトウォーカーと戦い続けたのに、あいつは地下に隠れてて、勝ったら、夜の王を倒したのはウチのアリアだしみたいな事言って、威張ってるっていうほんとクズですから。
サンサってのはそういう奴だって事をジョンも分かっていながら、話しちゃうんですから、そりゃデナーリスも闇落ちしますよ。
自分の兵を犠牲にしてホワイトウォーカー達から北を守ったのに、北からは受け入れてもらえない
自らが前線に出て、ホワイトウォーカーと戦い続けたデナーリス。そしてデナーリスの兵も前線で戦い、北の人々を守りました。
なのに、勝利したらどうでしょう。
なんだか内輪で盛り上がってるだけで、誰もデナーリスに感謝の意も表さなければ、
なぜか役立たずだったジョンが持ち上げられる・・
しかも、サンサも北は北だと、いまだに譲らず。
もう何なんでしょう。そりゃデナーリスも哀しくなるでしょ。
もともと自分の家だったキングスランディングがラニスター家に乗っ取られた積年の恨みがここに来て爆発。
さて、ミッサンディも失い、ジョンの心も離れていき、
完全に精神的に孤立してしまったデナーリス。
どんなに良い人だって、精神的にこうなってしまったら、闇落ちします。
そう、バットマン・ダークナイトで、正義の人だったハービー・デントが、恋人の死をきっかけに闇落ちし、トゥーフェイスに変わってしまったように。
そしてドラゴンを駆り、たった1人の自らの力で、キングスランディングの兵力ほぼ全部を撃滅し、降参の鐘まで鳴らさせて、勝利でハッピーエンドで終われるはずだった、この戦い。
私としては、でも「サーセイの事だから、降参の鐘で気を緩めた所で、ドラゴンを不意打ちして、逆転するって展開狙ってるんだろうな」って、正直ヒヤヒヤしながら見てました。
正直、約束なんて一度も守った事がないサーセイ相手ですから、デナーリスもこの降参の鐘を信用していなかったんじゃないかとも感じています。
ただ、ここからデナーリスが闇落ちして、キングスランディングを焼き払ってしまうまでに豹変した理由は、「この勝ち方では、結局自分は玉座に座れない。ジョンに取られて自分はお払い箱だ」という悔しさが込み上げてきた事、
さらに、彼女は、レッドキープ(城)を凝視して、悔しさで顔が歪んでいきましたが、レッドキープを見た時に、もともと自分のターガリエン家が代々受け継いできた城なのに、それをバラシオン家+ラニスター家に乗っ取られて、ターガリエン家を根絶やしにされた積年の恨みがここでフラッシュバックし、悲しみと怒りで頭がいっぱいになった結果、
ここでデナーリスが暴走してしまったというわけです。
ただ、怒りでいっぱいになったと言っても、罪なき民まで焼き払う理由がないですよね?
そこはやっぱり理由としては、ジョンに対して「もう恐怖しかない」と言っていたように、
あの鐘で試合終了だと、最終的にはジョンが玉座に着いて、自分はお払い箱になってしまうという、今までの努力や善意を全部ジョンに持ってかれてしまうという悔しさから、
恐怖で全てを焼き尽くして、自分が王なんだ。自分に従わないものはこうなるぞという狂王スタイルに出たって事なんでしょう。
ジョンが王でもターガリエン家が栄える事に変わりないじゃん?
ただ私、思うんですけど、ジョンも結局ターガリエン家なわけじゃないですか。
だから、ジョンが王になっても、ターガリエン家復興は出来るわけですから、
デナーリスは自分の願いであるターガリエン家復興が叶うわけですから、それで良いじゃんと思うわけですよ。
別にサンサら北の連中だって、玉座を取ろうなんて野心はないわけで、
彼らは北で静かに暮らしたいだけなわけですよ。
だから本来ならジョンが王になろうがデナーリスとしても一件落着だったはずなんです。
でもやっぱりデナーリスは、ジョンに裏切られた、ジョンはもう自分を恋人や妻としては見てくれないし、自分よりスターク家の方が大事なんだって感じてしまったわけです。
だから、ジョンには利用されて全て美味しい所持ってかれたみたいな気持ちになっちゃったわけです。それが闇落ちの最後の背中を押しちゃった感がありますね。
というわけで、デナーリスが闇落ちして、罪なき民まで焼き尽くした理由を解説してきました。
今回はほんと見ててしんどかったですね。
次の最終回では、もうどうなってしまうのか・・
アリアが殺る緑の目ってもしかしてデナーリスの事なんでしょうかね・・
そういう匂わせ方で終わったのがもう・・辛い・・