【こじらせ国際恋愛 Vol.10】世界の中心で、愛をさけんだケモノ

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オーストラリアに自分探しの旅に出たこじらせフリーター男のYが、次々と現れるこじらせ女達との壮絶な国際恋愛バトルの末にまさかの人種とドタバタ国際結婚に至るまでのノンフィクション・ドキュメンタリーを綴っていくというか国際婚活記録のVol.10だ。(Vol.9はこちら)

前回、福ちゃんが想像以上に若い事が発覚。
自分の求める大人の恋愛に進むような相手ではないなと感じたY氏。
そうは言いつつも2人の絆は深まっていくが、あっけない意外な結末が待っていた。。


福ちゃんとの楽しい週末デート+同じ職場で一緒に仕事の日々は続いた。

しかし、ある時から福ちゃんが仕事を休んで来なくなった。

連絡も取れない。

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福ちゃん音信不通の理由

しばらくして、福ちゃんからメールが来た。

「Y君、私、体調崩しちゃって、入院してたんだ。連絡出来なくてごめん。」

え、福ちゃん、大丈夫!?

話を聞くと、福ちゃんは、幼少の頃から、すごく体が弱くて、
何度も病院に担ぎ込まれては入院を繰り返していたとの事。

今はだいぶマシになったけど、
時々疲れがたまると、高熱が出て、
ぶっ倒れて、病院で点滴になるのだそうだ。

いつも、笑顔いっぱいで、疲れなんて見せない子だったから、
これにはビックリした。

でも、よーく過去を振り返ってみると、知り合ったばかりの頃、
まるでエスキモーかと言わんほどの異常なほどの厚着して
冷や汗かきながらゼーゼー言ってる姿も見た事があった。

「あと、一つ困った事があるんだ。」と福ちゃんは続ける。

「中国の地元にいる私の両親が、入院の事を知ったらしくて、すごい心配してて、今すぐ国に帰ってきなさいって言ってて。でも私まだまだオーストラリアにいたいし、もう回復して体調も戻ってきたから、大丈夫だって言って、なんとか抵抗してる所なんだ。」

ああ、そっか。。

福ちゃんはずっとまだまだオーストラリアにいるもんだと思ってたが、
突然お別れの危機がやってきてしまった。

流石に、福ちゃんいなくなるとか、かなり寂しくなるなぁ。。と心配になってきた。

しかし、私はこの後、間違った選択をする。
いや、あの選択が正しかったか間違ってたかなんて、誰にも分からない事なのだが。。

ラストデート

しばらくして、福ちゃんから「体調はほとんど回復した」とのメールをもらった。
でも仕事に復帰するのはもうちょっと様子を見ると。

長らく福ちゃんと会えなくなって、しかも帰っちゃうかもしれないと聞いて、
福ちゃんが恋しくなるY氏は、

「明日、君の家の近くの大きな公園あるじゃん、前にも行った。あそこ一緒に散歩しない?リハビリにもなると思うし。短時間だけ会わない?」

と思い切って誘った。

福ちゃんは「うん、いいよ。」という事で、次の日、福ちゃんの住むアパート前で待ち合わせ、久々に福ちゃんと再会した。

いつもの笑顔だが、やはり病み上がりの雰囲気は見て取れた。

実は昔付き合った事がある方が、同じように体が弱いタイプで、
それを理由に、当時引きこもり生活を送ってて、

「最近はもう働けないし、どんどん弱ってて、外に出る事も出来なくなっちゃって、
立ち上がるのも辛いの。ほぼ寝たきり状態で、もう私だめなんだ」みたいに弱音ばかり吐くタイプで、

周りもそれを「大変だね~、可愛そうだね~、いいんだよ、自分を責めないでゆっくり休んで~」と過保護になっている様子だった。

私は周りが彼女に優しく接する中、一人だけ、
「お前、そうやって甘えてるだけじゃん!そりゃ毎日寝てるだけじゃどんどん体力、筋力も落ちてく一方で、回復なんて見込めないだろうね。

逆に体強くしたいなら、毎日1分でもいいから散歩でもして体力作れよ。」

って言った事があって。

その時、「Y君は冷たすぎる!」って逆ギレされたけど、

でも、その言葉に触発されたらしく、リハビリがてら散歩するようになって、
本当に劇的に回復して社会復帰したっていう事があって。

実際、最近は医療の世界でも、寝たきりにさせないで、
術後もすぐに歩かせた方が回復が早い傾向にあるわけで、

まあ、そんな事もあり、
福ちゃんのリハビリにでもなればって気持ちもあって、
福ちゃんを誘った。

公園でゆっくり散歩して、ベンチで語らって、
でも、やっぱり今日は明らかに歩く時の息遣いが荒いから、
まだまだ回復出来てなかったかぁ~と思って、

デートを早めに切り上げて、タクシーで送って帰った。

世界の中心で愛を叫ぶ

その後、福ちゃんが職場に現れる事はなかった。

後日、福ちゃんからメールが来た。

「Y君、ごめん。私ね、やっぱりちょっと体調戻らなくて、で、両親がこれから私を迎えに来る事になっちゃった。明日には国に帰るの。

でね、もうオーストラリアには戻ってこれないと思う。これからは自宅療養しながら、地元で勉強する事になりそう。

Y君にお別れの挨拶がちゃんと出来なくてごめんなさい。Y君との日々は本当に楽しかったよ。。」

俺のせいだ。。。

そう思った。

彼女が病み上がりなのを分かってて、会いたいからって、公園デートに誘ったせいで、
彼女の回復を邪魔してしまって、トドメを刺してしまったんだと。

あの日、もし誘わず、我慢できてたら、
福ちゃんは順調に回復して、親も心配しなくなって、ずっとオーストラリアにいて、
私との関係も進展していたかもしれない。

いや、何もしなくても、福ちゃんは帰る運命だったのかもしれない。

あの選択のおかげで最後に福ちゃんと会う事が出来たのかもしれないし、
あの選択のせいで、最後になってしまったのかもしれないし、

こればっかりは何が正しかったのか、分からないけど、
いずれにせよ、もう福ちゃんと会う事が出来ない事だけは理解した。

あの日以来福ちゃんとは会えてないけど、
実は福ちゃんは今でも時々Facebookから近況報告メッセージしてくれていたりする。

でも、彼氏が出来たとか、そういう事は教えてくれないなぁ。。
恥ずかしがらずにおじさんに教えてくれぇい!

彼女には本当に感謝しかない。中国で青春を謳歌してくれ福ちゃん!

次回、福ちゃんを失ったY氏は絶望から引きこもりに!?
果たしてY氏に春は訪れないのか!?Vol.11に続く。。

PS. ちなみに私、セカチューってちゃんと見た事ないんだけど、
確かこういうストーリーだったよね?ね?(爆)

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